総論第1部

2.持続的実質賃金アップの実現条件 2.1物価指標の選定とデフレーターの動向

GDPデフレーターと家計最終消費支出デフレーターの両指標は「対外的ショック」の有無によって乖離が生じるものの、平時においては極めて高い連動性を持っています。したがって、2030年までの長期的なスパンで「持続的実質賃金アップ」をシミュレーションする場合、特異な対外的ショックが継続しないという前提の下では、GDPデフレーターを唯一の物価指標として採用しても分析の妥当性は確保されると判断できます。
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1.2 経済循環メカニズムの概説と核心部分

今回は、前回提示した「経済循環メカニズムの数理モデル」を冒頭で示したフローチャートに沿って詳しく解説します。そのうえで、賃上げを起点とする波及効果を把握する際、どこに焦点を当てるべきかという「理論の核心」を論じます。
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1.1 攻めの経済循環の概要と数理モデル

賃金引上げを起点とする「攻めの経済」を構想する際、「賃金の引き上げがどのように経済全体へ波及し、実質的な豊かさ(実質賃金の上昇)をもたらすのか」というプロセスが重要になります。ここでは、そのようなプロセスが発生する経済循環メカニズムについて、三つの基礎的考え方を説明し、冒頭の画像に示した循環メカニズムの簡単な数理モデルを紹介します。